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タ**ク
嬉しいな
思っていたより大きかったです。綺麗な装丁です。あこがれの聖書だったので、手に入れられて嬉しいです。
町**丘
カトリックの歴史を背負ったドゥエ・ランス(Douay-Rheims)訳
中世以降、カトリック教会の聖典として重きをなしてきたのがヴルガータ・ラテン語聖書。古来様々なラテン語写本が入り乱れて流布していたが、四世紀末、時のローマ教皇ダマスス(Damasus)の要請を受けた優れた聖書学者・翻訳家ヒエロニムスが、旧約聖書の大部分をヘブライ語の原典から訳し直し、更に四福音書もギリシャ語の諸写本と校合して、今に至るヴルガータの基本骨格を成し遂げた。しかしヒエロニムス訳といってもすべてが彼の作品ではなく、四福音書以外は古ラテン訳をそのまま継承したものも多く、標準のラテン語訳聖書の確定にまでは至っていなかった。一六世紀、宗教改革の波が押し寄せる。「聖書に還れ」をスローガンにプロテスタントの諸派・語学者が競って聖書の原文・翻訳を発行するようになる。劣勢に立たされたカトリック側は、急遽反宗教改革の会議(トレント公会議)を招集し、カトリック教会公認版ヴルガータ聖書の編纂を急ぐことを決議し、ようやく半世紀後の1592年、教皇クレメンス八世の下でこれを確定した。しかし英国はじめ欧州各地で英語訳聖書が現れてくる情勢にもかかわらず、カトリック教会には英訳が存在せず、ヘンリー8世・エリザベス朝には欽定訳聖書が権威を持ってくる。いたたまれなくなったカトリック教徒・オクスフォードの神学者たちはフランス北部の町ドゥエ(Douai)に脱出し自分たち独自の英訳聖書を持つこと画策し、翻訳は1610年ランス(Rheims)の町で完成する。むろんヘブライ・ギリシャ語原典からの翻訳ではなくヴルガータの英訳。以上が"Douay-Rheims and Clementina Vulgata"の背景。実物はなかなかの豪華本で値段もそれなりなのでまだ購入してないが、Vulgataのラテン語とドゥエ・ランスの英訳を同一ページに並列した本著はとても魅力的である。何よりこれに関わったヒエロニムスやフランス北部に信仰のため移住した多くのカトリック教徒たちの思いを追想しながらページを繰るというのは又格別ではなかろうか。
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